和法薬膳研究所 菊地農園

食養農業~安全で美味しく体に良い食べ物づくり~

和法薬膳とは

和法薬膳研究所(菊地農園)は、人々の命と健康を支える「安全で、おいしく、体に良い食べもの」つくりを目的とし、研鑽を重ね生産に励んでいます。そして「体に良い食べもの」とは、ミネラル濃度の高いものだと考えています。
現代の農産物は以前のものよりも栄養価が低下しています。外見上の見栄えだけは良くなっていますが、内容は貧弱で、ビタミンはもちろん、ミネラルなどは50年前に比べて1/2~1/3ともいわれています。私達人間にとって、ミネラルは必要不可欠な栄養素です。そしてミネラルとは植物が土壌から時間をかけて吸収したものを、その植物を食べることによって私達の体内に取り入れられるものなのです。問題は土壌のミネラルが不足し、植物のミネラル濃度が低下していることです。
その理由として、

①化学農法の発達により、農地にはチッソ・リン・カリウムのみが入った肥料が多用され、微量要素(すなわちミネラル)の補給がないがしろにされている。
②促成栽培や多収穫の農業はチッソ過多となり、チッソと相反する関係にあるミネラルの濃度は低いものとなる

ことなどが考えられます。
当研究所ではこのような観点から、ミネラル濃度の高い農産物を作るために次のことを実践しています。

① 農地へは堆肥・アミノ酸発酵肥料・数種類の岩石粉・海草・木炭・卵殻・カニ殻・フルボ酸などを散布し、ミネラルの充分な補給を行なう。
② 収穫量を抑制する。(コシヒカリは慣行栽培ならば600Kg以上収穫することもできるが、450Kg以下に抑制。) 

発酵肥料作りの様子

ミネラル濃度の高い薬元米は、食べる量が少なくても体が満足し、しかも充足感が持続します。身体は、人知の遥かに及ばない領域です。体にミネラルが必要だからと言って、サプリメントで補うという考え方には賛成できません。生命体である植物に含まれるミネラルを複合的に摂取するとき、真に命の糧になると私達は考えています。

 

体が元気になる食べ物

 

ご飯を食べると眠くなる?!

私たちの体は食べ物の「良い」「悪い」ですぐに変化します。一般的にも「ご飯を食べると眠くなる」と言われているように、スポーツの選手たちも食後1時間から1時間半過ぎないと運動ができないと思われています。
私は12年前シドニーオリンピックに向けて藤井優氏(シドニー・アテネオリンピックライフル射撃日本代表チーム監督)から、フランスの選手達は食後15分後から射撃の練習を始めているが、日本も含めて他の外国の選手達は1時間30分以上休まないと練習ができないと聞きました。そこで私は藤井氏にフランス以上の食べ物を作ってくれと依頼されました。そして、シドニーオリンピックでフランスの食べ物を超えた集中力の付くアスリート食を食べてもらい、大変良い結果を得ることができました。

 

アスリート食とマイナスエネルギー仮説

食べた物をエネルギーにするときは酵素反応が起こります。消化酵素によって消化され吸収された栄養素は、代謝酵素の力でエネルギーに変化します。このエネルギー変換のために消費するエネルギーを、私はマイナスエネルギーと呼んでいます。

摂取エネルギーからマイナスエネルギーを引くと、仕事や運動など体を動かすために有効なエネルギーが残り、この有効エネルギーが少ない時に集中力が途切れます。だからマイナスエネルギーは少なければ少ないほど良いのです。(グラフ参照)

ところで、酵素反応はビタミン・ミネラルが必要です。ですから白米や精白パンなどのミネラルのない食べ物をエネルギーに変えるためには、自分の体からビタミン・ミネラルを奪って酵素反応を起こさなければなりません。そのときに多大なマイナスエネルギーが発生します。

だから、マイナスエネルギーをできるだけ少なくするためには、ミネラル・ビタミン・酵素が豊富な食べ物をとる必要があるのです。アスリート食はそのような食材で作られたものです。体からビタミン・ミネラルが奪われず、体を動かす有効エネルギーが多く残ります。そのため、長時間にわたって集中力が切れず、質の高いパフォーマンスを保てるのです。
そしてそれは、私たち一般の人間にとっても健康や体力を維持するために必要なことです。

 

和法薬膳研究所 代表 菊地 良一
山形県高畠町出身・昭和12年生まれ

・元日本オリンピック委員会強化スタッフ
・農林水産省「食」に関する将来ビジョン検討本部委員(平成22年)
・たかはた食文化研究会 顧問