和法薬膳研究所 菊地農園

食養農業~安全で美味しく体に良い食べ物づくり~

深炒り玄米粉

古来から言い伝えられている、万病に効くという「玄米がゆ」。それは玄米を炒ってから煮るというもの。玄米の硬い膜が、水で軟化し溶かされるためには高熱での焙煎が必要だったのです。 『がん患者は玄米を食べなさい』(現代書林)の著者である琉球大学名誉教授 伊藤悦男先生は、永年食品の抗がん性を研究してきました。玄米の抗がん作用の研究に取り掛かったとき、米ヌカを水で煮立てその熱水抽出液で抗がん性実験を行ってみましたが、まったく抗がん効果が現れませんでした。あきらめかけていた時に昔からの言い伝えを知り、米ぬかを高圧高熱処理してみました。すなわち深炒りです。すると二種類の抗がん性成分※を発見し、その作用を解明することができました。

この研究に触発され、和法薬膳研究所の新商品として、粒と粉の二種類の「深炒り玄米」を開発いたしました。

 

・深炒り玄米(粒(つぶ))の食べ方

① ごはん
米1合に大さじ1~3杯入れ、一晩水付けしてから炊く。
② おかゆ
深炒り玄米9に対して、分づき米(白米でも可)1の割合で混ぜ、水6倍で20分~30分間煮る。

 

深炒り玄米(粉(こな))の食べ方

① 粉大さじ1杯に対してお湯150ccを入れスープとして飲む(味噌や梅干、あるいはハチミツを入れてもおいしいです)。またはお味噌汁などに入れて飲む。
② 粉小さじ1杯を湯のみに入れ、お湯を注いでお茶の代わりに飲む。
③ ヨーグルトにかけて食べる。

 

抗がん性成分 αグルカン

※ 二種類の抗がん性成分の一つ「αグルカン」について、米沢市立病院の医師、高岩正至先生による要約です。

玄米のαグルカンはキノコ類のβグルカンに勝るとも劣らない免疫賦活効果がある。体内の異常細胞を異物としてとらえ、一番最初に除去する免疫系が原始免疫・NK細胞など。次にもっと強力な獲得免疫(マクロファージや樹状細胞などの網内系細胞とキラーT細胞などのリンパ球)が待ち構えており、がん細胞と認識すると、ヘルパーT細胞(Th0)に提示、Th0は分裂・成長しTh1に成長し、キラーT細胞を活性化するためにインターフェロンγを放出し、がん細胞を攻撃し死滅させる。リンパ球の表面には受容体と呼ばれるセンサーが多数あり、このセンサーを刺激するとリンパ球は活発に動き始め、抗がん性サイトカイン(インターロイキン12やインターフェロンγ)を大量に発生する能力を取り戻す。活発化したリンパ球が体内で増加すると、リンパ球ががん細胞の周囲をめぐるときにサイトカインを放出し、抗がん作用を発揮する。リンパ球刺激作用の高いものとして、医学的に証明されているのがβグルカンであるが、琉球大学の伊藤らは玄米のαグルカンにもβグルカンと同等の抗がん性を証明した。